IT業界のはなし

【実体験】Sierとは?働き方、オススメ企業を解説します。

本記事では、国内IT企業の多くを占めるSierと呼ばれる企業群について解説します。

ちなみに私の経歴的には、新卒で中堅Sierに入社し5年後にWeb系の自社開発企業に移ったのち、現在はフリーランスという感じです。

誰でも知っている大手企業や中小企業のいろいろな人々と一緒に働いたことがあるので、直接聞いた内情とかも踏まえつつ・・・。

なるべくガチで働いてないとわからんような事情を書くことを意識しました。

本記事の要旨は以下の通りです。

  • Sierの分類は、独立系/ユーザー系/メーカー系に分かれる。
  • 入社にオススメの企業は、「元請け案件を持つ企業」「独自製品やサービスを持つ企業」「先進技術を持つ戦略子会社」
  • 大手ではマネジメント能力、中小ではプログラミング技術が身に付く。自らのキャリア希望に合った選択を。

記事前半部分はSierの分類と各分類の中で狙い目となる企業の選び方を解説していきます。

Sierへの就職・転職を検討中のあなたに、参考にしていただければと思います。

Sierとは

Sierとは、主に企業から社内業務で使用する基幹システムを受注してオーダーメイドで開発することを生業にしている企業群を指します。

Sier企業の分類について

Sierは大きく分けて、「独立系 /ユーザー系 /メーカー系」の3種類に分かれます。

ここでは、分類ごとに個人的に狙い目だと思うオススメ企業の属性も解説します!

独立系

独立系は、親会社が存在せず独立資本で経営されている会社です。

アクセンチュア、アビームなどの大手外資コンサルティングファームも独立系に含まれます。(人によってはコンサル系として別扱いしますが)

概ね中小Sierはプログラミング業務が多く、大手やコンサルは顧客との要件調整、設計といった仕事が多いです。

なので、エンジニアとしての仕事内容は全く異なるのが注意点。

独立系の特徴は、親会社の意向による関与がないため自由な経営ができる点です。

一方でグループ企業から案件を回してもらうなどといったことができません。

そのため、自力で案件を獲得しに行かなければなりません。

中小Sierの場合は、下請けが多いため価格競争にさらされやすく、孫請け曾孫請け・・・みたいになってくると末端のエンジニアの給与は安くなる傾向があります。

一方で、元請け案件をもっていたり、長年の付き合いで超大手の企業と営業パイプを持っている安定した企業(中堅~大手)も存在します。

上場企業なら会社四季報をよく見てみると、その辺の事情が普通に書いてあったりします。(〇〇株式会社と40年以上の付き合いがあり・・・云々)

主要取引先も要確認です。大手IT企業が多ければ二次請け、中堅IT企業が入っていれば三次請けみたいな感じです。

IT業界以外の企業から元請け案件を若干とりつつも、大手ITからの二次請けも取ってるレベル感なら、それなりの中堅どころなのでブラック度合いは薄まるかと思います。

安定した優良企業も含まれますので、運よくスキルの付く現場には入れればよいかもしれません。

ユーザー系

大手企業の情報システム部門が子会社として分社化した会社が主に該当します。

親会社の福利厚生が使えて、親会社ほど入社難易度は高くないのがメリットです。

しかし、親会社の意向に逆らえない、親会社から天下ってくる人にポストを奪われて子会社プロパーは出世しにくいなどのデメリットもあります。

個人的なつながりで聞いている感じでは、外販率が高くて親会社に依存していないユーザー系企業は上記デメリットが緩和される印象です。

とはいえ、基本的に企業としての安定性は、親会社に依存することが多くなります。

多くのユーザー系ではグループ会社の仕事がほとんどですが、そのノウハウを生かして独自製品を開発してグループ外企業に売り込んで成功しているガッツのある企業もあります。

個人的には、そのような自社の独自性を武器に戦っている企業はオススメです。

メーカー系

富士通、NEC、日立など、ハードウェアを作っている子会社です。

自分のところで売っているサーバーに載せるソフトを開発するために作った子会社などが該当します。

ユーザー系のように親会社から仕事が降ってくることが多いし、福利厚生も親会社のモノが使えます。

立場的にはユーザー系に近いかもしれません。

ただ、富士通の場合は人事異動で子会社から本体に行くケースは普通にあると中の人に聞いたことはあります。

デメリットとしては、親会社の製品に縛られる傾向があるため、エンジニア的には流行りの技術とか幅広い技術を扱うことが比較的難しいかもしれません。

なお、先進的な技術を扱うために、優柔な人材を高給で雇う必要に迫られて戦略的に分社化しているタイプもあります。

そういうところは、外から見ている感じだと親会社に縛られずに面白い仕事をやっている印象はあります。

自分が転職者だったら、そういう企業を探しますね。キャリア的にはおいしいと思います。

Sierでのリアルな働き方


上記で説明した通り、基本的にSierは企業向けの基幹システム開発が主になります。

システムの性質上、金融や電力、鉄道といったインフラ関係のシステムが多く、失敗が許されない傾向が強いです。

そのため、実績のある安定した技術を使用することが多く、最新技術を使う機会は少ない傾向にあります。

働き方としてはセキュリティの関係もあり、自社の外に常駐して働くことがほとんどとなります。スーツ着用は必須。

開発手法は、ウォーターフォール型と呼ばれるものが主流です。

滝が流れるように一方向に開発工程が進んで行きます。

「要件定義→基本設計→詳細設計→プログラミング→テスト」という感じで流れていきます。

ただし、会社がプロジェクトのどの工程に関係してくるかによってエンジニアの働き方は大きく変わります。

傾向として大手企業は、要件定義、基本設計などの上流工程に関わり、それ以降の工程を中小企業が行うことになることが多いです。

ただし、例外はあります。

個別企業の事情については、発表されてる情報から詳しく調べてみることをオススメします。

以下では、大手と中小の二つに分けて働き方を解説します。

大手Sierの場合

システムを構築してほしいと思っている大手企業や国の公官庁から請負契約にて、プロジェクトとしてシステム構築を受注します。

顧客からの入金はシステム完成後となるため、開発中の人件費を負担できる体力のある企業でないと大規模受注はできません。

そのため、顧客がビッグでシステム規模も大きい場合、元請けはユーザー系、メーカー系の大手Sierとなります。

独立系の大手Sierも元請けになることもありますが、大きな下請け企業みたいになっているケースが多いです。

中で働くエンジニアとしては、顧客との調整業務、プロジェクト管理、下請け企業のベンダーコントロール、設計の仕事が主となります。

肩書はシステムエンジニアですが、プログラミングはほとんど行いません。(下請けに投げる)

ドキュメント作成の仕事が多く、Excel職人になりがち。

よって、技術力を身に着けて手に職という感じではないので、技術志向性が強い人や独立志向の人にはオススメできません。

マネジメントスキルを極めて大手から独立する人も見たことありますが、稀な印象です。

基本的に会社の看板でビジネスをしていく感じになります。

安定した環境で、高い給与水準を求めたい人には向いていると思います。

超大規模なプロジェクトでマネジメントをやっていきたい人も向いています。

中小Sierの場合

独立系で大手の下請け企業が多いため、プログラミング・テスト工程の仕事が多くなります。

元請けから降ってきた顧客調整結果(要件定義)や設計を元にプログラミング以降の工程を行うことになります。

厳密にはプログラミング前に行う詳細設計なんかも降ってきますが、そのあたりはプロジェクトによります。

孫請け曾孫請けで待遇が悪化しやすいのが最大のデメリット。

ただし、ちゃんとした現場に入れれば技術力は身につきます。(大規模システムでDBのチューニング経験とかできたらラッキー)

Microsoftの.NET FrameworkやJavaを使った案件が多いですね。

とはいえ残念ながら、良い現場に入れるかどうかは運次第となります。(これを業界では案件ガチャという)

本人が自覚をもって主体的にキャリア形成しないと、長期的なリスクが顕在化します。

難易度の高い仕事をとりにいくなどで実績を作る、実績を作ったうえで退職カードを使って良い現場に入れるように営業(or上司)と交渉するなど、自分から良い環境を取りに行く努力はしたほうが良いと思います。

中小Sierは顧客との要件定義や設計などの上流工程に入れないことが多いので、それに不満なエンジニアは離職して大手に行くことも多いです。

Sierの場合、キャリアパスとして上流工程に行かないと給与が上がらない構造になっていることが主な要因。

とはいえ、大手が取りに行かないようなサイズの案件を元請けで受けて、要件定義~テストまで全部やってるような中小Sierも探せばあったりします。

小規模でもプロジェクト全体を見渡す経験は勉強になることが多いので、人によっては狙い目かもしれません。

私個人は、中小Sierで小規模なプロジェクトにアサインされて、顧客調整~プログラミング、保守運用などすべての工程を任せてもらい、その後のキャリアの基礎になりました。

現場で積み上げたプログラミングの経験は、上流工程でも効力を発揮します。

ただし、この層の中小企業は待遇が低いので、何か明確な目的がない限りはオススメではありません。

確かに個別で見ると良い会社もありますが、積極的に狙うほどではないと思ってます。

ただし、未経験者が目標とする実務経験を得るために、1,2年在籍して一時的な踏み台にするならいいかなと。(野生の職業訓練所)

まとめ


以上、Sierについて解説してみましたがいかがだったでしょうか。

最近はWeb系企業と比較して何かと袋叩きに合うことも多い企業群ですが 笑

ちなみに私は技術志向が強めなので、Sierの仕事に飽きてしまってWeb系に転職した人です。

確かに、技術バリバリでやっていきたい人にはオススメできません。

実績のある技術を使って、安定したシステムを作るのがSierの仕事です。とにかく堅実。(あくまで傾向ですが)

働いている人のタイプとしては、仕事は仕事として割り切って働いている人が多い印象ですね。

IT技術が三度の飯より好きな人とか、勉強会に参加してバリバリ情報発信するような人はあまりいません。

社会インフラを支えるような堅い仕事が多いので、そういったところに興味がある方はよいかもしれません。

本記事が参考になれば嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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