本記事では、Android向けのウィルス対策アプリ(正確にはセキュリティ対策アプリ)を検討中のアナタに向けて解説をお送りしていきます。
セキュリティ自体をどう考えるか、そのうえでどのような選択を行えばよいか、という考え方の指針を提供できればと思います。
本記事では、セキュリティ(ウィルス)対策アプリ選定の判断軸として3つの軸(知名度、価格、性能)を挙げ、各観点ごとに解説を行います。
筆者は企業現場でAndroidアプリの開発に従事しているフリーランスの現役エンジニアです。
技術的な知見を活かしての記事作成を行っていますが、なるべく専門用語を使わずにわかりやすい解説を心がけます。
Androidにおけるセキュリティに対する考え方
スマートフォンは個人情報の塊です。
LINEのトーク履歴、電話帳、プライベートな写真、アプリに保存した情報など多くの個人情報を内包しています。
Googleが提供するサービスを利用して、ネット上に情報を保存して同期している場合も多いでしょう。
その場合は、スマホ内に保存されているアカウント情報の漏洩、権限管理には十分に気をつける必要があります。
スマートフォンからの主な情報流出経路は以下の3種類です。
- 無料の公衆無線LANにおける傍受
- 悪意ある不正アプリからの抜き取り(一時データ、入力データ、画像)
- ユーザーの誤操作
総じて、脅威となる手口としては無料サービスでひきつけたり、不安を煽ることでユーザーをいかにして騙して誤操作(不正アプリのインストール・実行)を誘うか、というところに尽きます。
ユーザーを騙す手口をしっかり理解したうえで対策を取れるなら必ずしも対策アプリは必須ではありません。
ただ、PCに比べるとスマホは直観的な操作が可能であることから、セキュリティ意識が十分ではないユーザーであっても容易に扱えてしまいます。
Web検索や操作に不慣れがあり、何かあった時に自己解決が難しい場合は導入を検討した方がよいのでは、と考えています。
Android標準機能だけですべての脅威をカバーすることは難しく、人間自体を騙す手口に対して最終的に対応できるのは人間であるユーザー自身です。
利便性の代償として、ユーザーにはある程度セキュリティに対する理解が求められているということを自覚する必要はあります。
とはいえ、ITに対する知識量には個人差があります。
全ての人が適切なセキュリティ教育を受ける機会に恵まれるとは限りませんし、情報収集を適切に行うことに慣れない状態でスマホを手にする可能性は十分にあります。
私の個人的な意見としては、ITに対してあまり知識がなくて何らかのサポートを必要とする場合に、セキュリティ対策アプリ導入は手段として有効であると考えています。
セキュリティ対策アプリを選ぶ軸について
個人的には対策アプリの選び方には以下の3つの軸があると思っています。
その中から自分で優先順位を決めて選ぶのも良いでしょう。判断軸とともにオススメのアプリを挙げてみます。
- 知名度の観点でオススメ製品:
【ウイルスバスタークラウド】
(知名度、性能共に十分な水準)
- 価格・料金体系の観点でオススメ製品:
ESETセキュリティソフト
(3年契約で1年あたり価格が最安値。歴史的に動作の軽さにこだわるメーカー。性能も十分。)
- 機能面の観点でオススメ製品:
定番のセキュリティソフト ノートン 360
(インストール済アプリの権限や裏側でのデータ通信内容などによりプライバシーリスクを自動判断してランク付け。)
一つ目の軸として挙げられるのは知名度です。
有名なアプリは多くの人に使用されているため、操作などで分からないことがあっても検索結果の情報量が多く、安心して使うことが出来るでしょう。
もちろんメーカー側のサポートも期待できますので、みんなによく使われているものを選ぶというのも一つの選択です。
知名度の観点でオススメ製品:【ウイルスバスタークラウド】
(知名度、性能共に十分な水準)
二つ目の軸は、価格・料金体系。
例えば一年間で試したい、ということであればまず一年契約で最安のものを選んでみる。
逆にあまりコロコロ変える気がないようなら、三年契約で最安のモノを選ぶというのもよいでしょう。
基本的には、一年契約より三年契約の方が単年で見ると安いです。
価格・料金体系の観点でオススメ製品:ESETセキュリティソフト
(3年契約で1年あたり価格が最安値。歴史的に動作の軽さにこだわるメーカー。性能も十分。)
三つ目の軸は、機能面。
実のところ、Androidの対策アプリに関しては著名なメーカーのものであれば主な性能面(検出率、誤検知率など)では大差ありません。
ただ、機能面では違いがありますので、特に重要な「アプリ権限に関する機能」に注目して解説します。
機能面の観点でオススメ製品:定番のセキュリティソフト ノートン 360
(インストール済アプリの権限や裏側でのデータ通信内容などによりプライバシーリスクを自動判断してランク付け。)
判断軸で検討する適切な対策アプリ
市場シェアと知名度で選ぶ
有名なアプリは多くの人に使用されているため、操作などで分からないことがあっても検索結果の情報量が多く、安心して使うことが出来るでしょう。
もちろんメーカー側のサポートも期待できますので、みんなによく使われているものを選ぶというのも一つの選択です。
国内シェアは以下がベスト3です。
※参考:
・BCN AWARD 部門別受賞企業 セキュリティソフト
https://www.bcnaward.jp/award/section/detail/contents_type=307
まずは市場シェアで選択肢を絞ってから追加の観点として価格や性能を考慮に入れるという考え方もよいです。(無難で選びやすい)
あるいは、あえて市場シェアを気にせずにとにかく価格が安いもの、性能や使い勝手を重視したい!という考え方もアリです。(こだわりたい人向け)
価格で選ぶ
続いて、価格面についてです。
私の結論から言うと、最安値のESETをオススメしてます。(3年間契約で1年あたりで割り算すると最安)
ただし、キャンペーンなどで各社価格変動があるので、標準価格で比較しています。
まずは、国内外で比較的有名な製品で価格を比較してみます。対象以下の製品です。
ウィルスバスター、ノートン、カスペルスキー、ESET
契約年数と台数が増えるほど単価は安くなります。
また割り算してみるとわかるのですが、1台・1年契約での導入だとどのメーカーでも割高になりますので、可能なら複数台まとめての導入がオススメです。
標準ダウンロード価格を元に計算すると目安としては以下です。導入台数別に1年・1台当たりの最安製品を一覧にしました。
導入台数 | 1年・1台当たり最安製品 | 契約種類 |
1台 | ESETセキュリティソフト![]() |
3年契約 |
2台 | 定番のセキュリティソフト ノートン 360![]() |
スタンダード2台版・1年 |
3台 | ESETセキュリティソフト![]() |
3年 |
5台 | ESETセキュリティソフト![]() |
3年 |
ただし、ESET、ノートン以外の製品も極端に高いわけではなく1年・1台あたりで割ると数百円~1000円程度の差なので、その程度の差なら機能重視で選びたい!というのもアリだと思います。
ちなみに、ウイルス対策ソフト「ZEROシリーズ」を表に載せていませんが、この製品は料金体系が特殊です。
一般的なものと違って年契約ではなく端末に紐づきます。つまり、端末が壊れるか紛失しない限りは使い続けられます。
ただし導入から短期間で水没・紛失・落として故障などが発生した場合、割高になってしまう可能性があります。
コスト最優先かつ壊さない・なくさないという自信がある方は、ウイルス対策ソフト「ZEROシリーズ」でもいいと思います。
(ZEROシリーズには2種類の製品がありますが、「ZEROスーパーセキュリティ」の方をおすすめします。「ZEROウィルスセキュリティ」は安いものの性能がやや低いためオススメしてません。)
性能(検出率)、機能面で比較する
対策アプリの性能として、最も重視すべき点はどれくらいの確率で悪意のあるアプリなどを検出できるかという点でしょう。
第三者機関の調査結果は参考になるかと思います。
例えば、私は以下の機関の調査結果を参考に最新のデータを確認しています。
実はAndroid版の対策アプリの検出率、誤検知など性能に関する値については、有名どころはどれも検出率100%に近い数値を達成しています。
各調査機関の調査結果を見ていただければわかりますが、世界シェア・国内シェアの大きな製品については大差ありません。
逆に無料で配布されていたり無名なアプリの中には検出率が50%を下回るヒドいものもありますので、気をつけましょう。。。
「有名で自分が愛着を持っていたり知っているものを使えば無難。」というありきたりなアドバイスになってしまいますが、そういう選び方もアリだと思っています。
あと、個人的に重視しているのはアプリ権限の警告表示です。
その点では、定番のセキュリティソフト ノートン 360がオススメです。
インストールされたアプリがどのような権限を使用していているかチェックする機能を多くのアンチウィルスソフトが有しています。
ただ、警告や説明文の表示でユーザーに分かりやすく工夫がされている一方で、判断自体はユーザーに委ねているケースが多いです。
私の知る限り、唯一ノートンについてはそのあたりを自動判断してリスクのランク付けを行ってくれる機能を持ちます。
不審な動作を行っていないかの確認などを行ってノートン側で安全性のランク付けを行います。(アプリアドバイザー機能)
ユーザーはそのレポート内容を確認して手動でアンインストールなどの判断を行うことも可能です。
権限判断自体をセキュリティ対策アプリに任せたい場合には、機能面でノートンがいいかなと思っています。
まとめ
以上、Androidのセキュリティ対策アプリを比較してみましたがいかがだったでしょうか?
本記事では、セキュリティ(ウィルス)対策アプリ選定の判断軸として3つの軸(知名度、価格、性能)を挙げ、各観点ごとに解説を行いました。
以下に観点ごとのオススメを再掲します。
- 知名度の観点でオススメ製品:
【ウイルスバスタークラウド】
(知名度、性能共に十分な水準)
- 価格・料金体系の観点でオススメ製品:
ESETセキュリティソフト
(3年契約で1年あたり価格が最安値。歴史的に動作の軽さにこだわるメーカー。性能も十分。)
- 機能面の観点でオススメ製品:
定番のセキュリティソフト ノートン 360
(インストール済アプリの権限や裏側でのデータ通信内容などによりプライバシーリスクを自動判断してランク付け。)
Androidのウィルス対策アプリはたくさんありますので、迷うかもしれませんがどうしても迷って決められないならESETがオススメです。
本記事が参考になれば嬉しく思います。
※写真出典:
Dominick VietorによるPixabayからの画像
Pete LinforthによるPixabayからの画像
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