日本では根強い人気を誇るiPhone。
この記事にたどり着いたアナタもiPhoneの愛用者であることと思います。
しかし、何気なくiPhoneを操作していると、突然怪しい表示が出てビックリしたことはありませんでしょうか?
もしくは、ウィルスに感染したらどうなるの?とギモンに思われているかもしれませんね。
iPhoneは個人情報のカタマリです。
毎日、使っていればアドレス帳やwebの閲覧履歴など、多くの情報が蓄積していきますのでセキュリティが大丈夫かは気になるところでしょう。
本記事では、iPhoneでウィルスによるとされる感染症状や対処方法、iPhoneのセキュリティにおいて気を付けるべき点を解説していきます!
なお、私はITエンジニアとして、日々企業の現場でスマホアプリの開発に携わっております。
技術的なところも踏まえて記事を書きますが、専門用語などは扱いません。
読者としては一般ユーザーを想定して、わかりやすく解説していきます ^^
ウィルスに感染したとされる事例
よくある事例としては、safariでwebページを閲覧していると突然以下のようなメッセージが表示されることがあります。
他にも何種類かありますが、総じてウィルスが感染した旨を通知してきます。
そして、ウィルス対策ソフトをダウンロードするように促す or 修復を実行するにはOKボタンを押してくださいといった操作を要求してきます。
結論から言うと、無視して問題ありません。
これは、Fake Alertと呼ばれるもので、ウソの通知を表示して詐欺サイトに誘導するクリック型広告です。
不安を煽って不要なアプリを購入させようとしたり、お金やクレジットカードの情報を盗み出すのが真の目的です。
表示されたページ内のボタンなどはできる限り触れずに、ページのタブを閉じてしまいましょう。
アプリを間違って入れてしまった場合も消去です。
もし、心配なことがあればすみやかに最寄りの警察にご相談されることをオススメします。
都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧 - 警視庁
http://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm
衝撃!iPhoneにウィルスは存在しない。
上記ではウィルスの感染症状として詐欺広告の紹介をしましたが・・・
実は、iPhoneに厳密な意味でのウィルスというものは存在しません。Androidも同様です。
よって、AppStoreにもウィルス対策アプリはありません。
コレ、多くのユーザーにとっては意外かもしれませんね ^^;
ウィルスが存在しない理由は、iPhone、iPadといった端末が搭載しているiOSというソフト自体が、セキュリティを核として設計されていてウィルスを作成できないからです。
よって、Apple社の見解としてもiOSにウィルス対策ソフトは必要ないとしていて、App Storeでウィルス対策ソフトをリリースすることを認めていません。
とはいえ、AppStoreやアプリの比較サイトなどでiPhone向けに対策アプリを見かけたことがあるかもしれません。
しかし、実はそれらのアプリは総合的なセキュリティ対策アプリとしての機能しか持っていません。
具体的には、紛失盗難時に端末を探す機能、データバックアップ機能などですね。
システム全体をスキャンしてウィルスを駆除するような機能をiOSで実現することは不可能です。
なぜなら、全てのアプリに対して原則的に各アプリ専用の領域にしかアクセスできないように制限が掛けられているからです。
ご興味があれば以下の記事で、そのあたりの仕組みを詳しく解説しています。
Android向けに書いていますが、iOSも仕組みとしては同様です。
いずれにせよ、ウィルスもなければ対策ソフトもないということでひとまず安心・・・といいたいところですが、実は過去に危険な事例がありました。
以下で、解説していきますのでご覧ください。
AppStoreに不正なアプリが存在した事例
前提として、AppStoreはApple社がリリースされるアプリを一つ一つ人間の目で審査しています。
自動リリースであるAndroidのGooglePlayと比較して、安全であるといわれる理由ですね。
私自身、実際にApple社とやり取りをしながらアプリをリリースしたことがありますが、本当にしっかり確認されているなと思います。
一部やたら厳しい審査員がいて開発者としては困る面もありますが、その分ユーザーの安全はしっかり担保されていると考えてよいでしょう。
しかし、過去には審査の目をすり抜けて複数の不正アプリがリリースされてしまうということが発生しました。
App Store上の40アプリに感染の疑い
https://blog.kaspersky.co.jp/xcodeghost-compromises-apps-in-app-store/9001/
中国で発生した事例ですが、開発者が使用するアプリ開発ツール自体に不正なプログラムが組み込まれていたようです。
何も知らない一般の開発者が、この不正な開発ツールを無自覚なまま開発に使ってしまい、そのまま正規のルートでリリースしたところ審査に通ってしまったという事例です。
ただ、非常に稀なケースですし日本製のアプリで起こるとは考えにくいので、極端に不安がる必要はありません。
とはいえ、今後絶対にこういうことが起こらないとも言い切れないので、iPhoneだから大丈夫!と盲目的に信用するのではなく、疑いの目で見ることは大事です。
iPhoneにおいて行うべきセキュリティ対策
iPhoneが搭載しているiOSは、セキュリティ的に非常に強固な仕組みを持っていますがいくつか注意すべきことがあります。
iOSアップデートはなるべく早めに行う
多くの方はこまめにアップデートされているかと思いますが、操作性が変わってしまうことや不具合の発生を心配してアップデートしない人がたまにいらっしゃいます。
しかし、iOSのアップデートにはユーザー向けの機能改善以外にも、セキュリティ上の改善も含んでいます。
悪意のある攻撃者に既に認知されている脆弱性などは放っておくと大変危険です。
なるべく早めのアップデートをオススメします。
iOSアップデートの考え方、やっておいた方がいいことを以下の記事で解説しています、
メールやSNSのリンクは安易にクリックしない。
実在の企業を装い、送られてくる詐欺目的のメールなどが存在します。
そして、クリックすると詐欺サイトを表示してしまいます。
最近は本物の企業そっくりのサイトを用意したりして騙すケースも増えています。(フィッシング詐欺)
怪しげな会社や、不明なサイトであればなおのこと気を付けましょう。
例えば、最近では以下のような事例がありました。
メルカリをかたるフィッシング - フィッシング詐欺協議会
https://www.antiphishing.jp/news/alert/mercari_20190403.html
最近は手口が巧妙化してきており、本当に騙される方が後を絶ちません。
フィッシング詐欺に特化した対策アプリがありますので、詐欺サイトを見分けられるか不安なアナタにはオススメします。
信頼できないWiFiに接続しない
最近は無料で使用できるFreeのWi-fiスポットが普及しています。
鍵マークの付いていないWi-fiは暗号化されていませんので、通信経路のデータが外部に漏れる恐れがあります。
便利なWi-fiですが、セキュリティーを意識して適切に活用しましょう。
まとめ
以上、iPhoneのウィルスをはじめとするセキュリティ対策に関する解説をいたしましたが、いかがだったでしょうか?
スマホはもはや生活必需品ですが、それゆえに誰もがネットに常時接続している状態となっています。
何かがあってから慌てることにならないよう、ネット上で横行する詐欺の事例を知っておくことが大事です。
とにかく、画面に表示されるメッセージは疑ってかかりましょう!
変に操作せず、無視+すぐ閉じる!が基本です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました ^^