データをバックアップする際には、データの保存方法として3種類の方法があります。
それは、完全バックアップ、増分バックアップ、差分バックアップです。
言うまでもなく、完全バックアップはすべてのデータを現在使用している保存媒体とは別の場所に保存することを示します。
ただ、残りの2つの増分バックアップ、差分バックアップの違いは分かりにくいかと思います。
本記事では、これら二つのバックアップ方法がどう違っていて、どういった場面でどちらを選択すればよいのか解説していきます。
増分バックアップとは
増分バックアップでは、前回行ったバックアップから変更・追加があったデータのみバックアップします。
以下の図をご覧ください。
太字で囲んでいる部分は、実際にバックアップを取得する部分です。
初日の8/1にその時点で存在するすべてのデータ(50GB)についてバックアップを取得します。
続いて、翌日の8/2には10GB分追加・変更があったのでバックアップします。
さらに、8/3は8/2分までと比較して15GB分の追加・変更があったのでバックアップします。
8/3時点のデータを復元したい場合は、8/1(50GB)、8/2(10GB)、8/3(15GB)の太字になっているデータをつなぎ合わせればいいことになります。
つまり、バックアップの総量は、50GB+10GB+15GB=75GBとなります。
差分バックアップとは
差分バックアップでは、初日の行ったバックアップから変更・追加があったデータのみバックアップします。
以下の図をご覧ください。
太字で囲んでいる部分は、実際にバックアップを取得する部分です。
初日の8/1にその時点で存在するすべてのデータ(50GB)についてバックアップを取得します。
続いて、翌日の8/2には8/1の初回バックアップと比較して10GB分追加・変更があったのでバックアップします。
さらに、8/3も8/1の初回バックアップと比較して25GB分の追加・変更があったのでバックアップします。
8/3時点のデータを復元したい場合は、8/1(50GB)、8/2(10GB)、8/3(25GB)の太字になっているデータをつなぎ合わせればいいことになります。
つまり、バックアップの総量は、50GB+10GB+25GB=85GBとなります。
まとめ
さて、以上が増分バックアップと差分バックアップの違いでした。
まとめると以下のような感じです。
- 増分バックアップ
=変更されたデータのみバックアップ
- メリット:保存容量が少ない
- デメリット:復元時の処理が複雑 - 差分バックアップ
=最後の完全バックアップ以降に変更されたファイルのみバックアップ
- メリット:復元時の処理が簡単
- デメリット:保存容量が多い
増分バックアップは、直前に保存したデータから変化したところだけを保存していくため容量を圧迫しないのがメリットです。
しかし、復元時にデータをつなぎ合わせる複雑な処理が必要となります。
一方、差分バックアップは増分バックアップと反対の特徴を持ちます。
差分バックアップのメリットは、復元時に初回分のバックアップデータと直前のバックアップデータをつなぐだけで良い点です。
しかし、デメリットとしてバックアップの容量は大きくなります。
よって、以下のような使い分けをするといいです。
- 増分バックアップ
保存する容量が少ないため、ネットワーク経由のバックアップに有効。
バックアップ時の回線負荷が減らせる。 - 差分バックアップ
定期的にバックアップを取得していて、世代管理をしている場合は有効。
何世代か前の分のバックアップが無くても復元可能なので、世代管理が煩雑にならない。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました^^