忘れたころにやってくる、HDDの不調やデータ欠損。
最近まで上手くいっていたのに、HDDのデータの読み出しに突然失敗・・・なんてことは意外とありがちです。
そして、そういう時に限ってバックアップがないなんてことも。。
本記事では、そんなときに役立つデータ復元ソフト「EaseUS Data Recovery Wizard Pro」のレビューを行います。
本製品はWindows/Macの両方に対応していますが、記事執筆にあたってはWindows版で検証を行いました。
ちなみに結論から言うと、ちゃんとデータは復旧できました。以下、詳細を解説していきます。
また、今回は開発元のEaseUS Software Co., Ltd.様からのご依頼で執筆しておりますが、ユーザー目線で公平なレビューを心がけております。
私のポリシーとして、企業様からのレビューご依頼の際は製品のデメリットに触れる可能性について必ず了解をいただいてから引き受けています。
今回は、実際に壊れたHDDからデータの復旧に成功しましたので、操作画面のキャプチャも交えつつ解説していきます。
EaseUS Data Recovery Wizard Proとは
製品概要
本製品は、データ復旧ソフトです。
EaseUS Data Recovery Wizard Pro 製品公式ページ
https://jp.easeus.com/data-recovery-software/drw-pro.html
様々なシチュエーションに対応しており、以下のようなデータ損失ケースで使用可能です。
- ハードディスク復元
- ゴミ箱復元
- ファイル完全削除からの復元
- フォーマット復元
- ウィルス攻撃からの復元
- パーティション復旧
- SDカード、USBメモリーなどの復元
- システムクラッシュからの復元
- その他、物理破壊以外のデータ紛失
とりあえず、データが消えた場合は試してみる価値がありそうです。
間違って消してしまった場合や、PCから認識されているHDDなのにデータが見れない、といった場合などは有効。
ただし、高所からの落下など物理的にHDDが破壊されている場合は無理ですね。
そういうときは、専門業者への依頼をご検討ください。。
本製品には試用版があり、無料で使用することが出来ます。
ただし、最大2GBまでしか復旧できないため、必要に応じて有料版の購入を検討しましょう。
なお、本製品には受賞歴があります。
第24回 Vector プロレジ大賞(バックアップ復元部門賞)
第26回 Vector プロレジ大賞(復元部門賞)
第30回 Vector プロレジ大賞(特別賞)
ご存知かもしれませんが、オンラインソフト販売で国内最大手のVectorが定期的にユーザー投票などで選出するものです。
ソフトの人気の目安になりますので、このソフトに限らず購入を検討される場合は参考にされるとよいかと思います。
開発元について
EaseUS Data Recovery Wizard Proの開発元は、EaseUS Software(イーザスソフトウェア)です。
EaseUS Softwareは2004年に設立された、ソフトウェアの製造/販売メーカーです。
主力はデータ復旧、バックアップとリカバリ、バーティション管理、ディスククローン、システム最適化ソリューションなど。
データ管理系のソフト開発に強みをもつ企業で、国内の有名企業とも取引実績があります。
会社概要 - イーザスソフトウェア公式ページ
https://jp.easeus.com/company/overview.html
ネット上の口コミ、評判、評価を集めてみた。
ネットを巡回して、ざっと見て代表的なものを挙げると以下のような感じでした。
- 無料版は復旧サイズ制限があって不満。
- 消えたファイルのリストは出てきたが、復元はできなかった。
- 階層構造を維持したまま復元できるのが、ありがたい。
- 間違えてHDDをフォーマットしたが、ほとんど復旧できた。
たまに、イキナリ有料版を買ってしまってから復旧できない!という方がいらっしゃいますね。
例えばファイル名は出てるけど、ファイル自体は0KBで復元できない、という指摘ですね。
データの損失状況はケースバイケースなので、私も個人的には本製品で全てのデータが復旧できるとは思っていません。
購入後に復旧できないリスクを冒さないためにも、事前に試用版で2GB分復旧をして様子を見てから有料版を検討したほうがいいですね。
もし試用版で復旧ができなければ、他のソフトも試して比較検討してください。
あとは、AmazonレビューですがスマホのSDカード復旧に成功した方のレビューが非常に有益だったので、リンクを貼っておきます。
他の製品も使用したうえで、復旧ファイル数を比較してます。SDカードの復旧をご検討であれば参考になりそうです。↓
まず無料版でディープスキャン - Amazon
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RZ3KCAYL2QS2W/ref=cm_cr_arp_d_viewpnt?ie=UTF8&ASIN=B00D3YE4E8#RZ3KCAYL2QS2W
実際に復元できるか試してみた。
検証に使った、壊れたHDDの状況について(RAW)
今回の検証に使用したのは外付けハードディスク(FAT32)です。
本製品のバージョン 12.9.1から、FAT復元の質が向上したそうなので試してみましょう。
今回の検証に使用する、壊れたHDDはファイルシステムが「RAW」という状態になってしまっています。
これは、システム側からアクセスできずに読み取りができなくなっている状態を指します。
現象としては、USBの接続直後にフォーマットを促すエラーメッセージが表示されてデータの読み出しができなくなります。
具体的なエラー内容としては、「ドライブG:を使うにはフォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」という内容です。
ドライブGは認識済みの壊れたHDDを指しています。
ここでのディスクフォーマットはキャンセルしましょう。
「ディスクのフォーマット」を選択すると使えるようにはなるのですが、なるべく状態は変えずにそのままにしたほうがいいと思います。
キャンセルすると以下のウィンドウが表示されました。
ここでOKを選択し、いよいよ復元開始です。
データ復元の手順
1.EaseUS Data Recovery Wizard Proを起動すると、以下の画面が表示されます。
復元対象を選択してスキャンボタンをクリックします。
例えば、ここでは検証対象となるローカルディスク(G:)を選択します。
もし、ゴミ箱を復元したい場合はゴミ箱を選択してください。
2.スキャンボタンをクリックすると以下の画面に切り替わり、スキャンが開始されます。
復元対象のサイズが大きい場合は時間が掛かりますので、待ちましょう。
復元中でも、ファイルの上で右クリックしてリカバリーを選択すると復元できることもあります。
また、メニュー上部にある「フィルター機能」を使用することで、ファイルの種類別に選択して復元することもできます。
すぐに出てくるのは、画像、ドキュメントといったザックリした括りなので、コレで大丈夫そうなら選択します。
さらに、詳細な条件で絞り込みたい場合は、一番下の「高度なフィルター」を選択すると、以下のようにより詳細な条件選択が可能です。
3.スキャンが終了すると、ウィンドウ下部に「スキャンが完了しました」と表示されます。
あとは、「右クリック → 確認」でプレビューを見たりしながら復元するデータを選択して、保存します。
画像であればそのまま表示されますし、音声であれば以下のように直接再生して確認することもできます。
まとめ
以上、EaseUS Data Recovery Wizard Proのレビューをお送りしましたが、いかがだったでしょうか。
私自身、いくつか復旧ソフトを使ってきましたが、特に本製品を使っていていいなと思ったのは以下の点。
- スキャン中でも復元できるファイルが多い。
- ファイル名、フォルダ構成が元のまま復元される。
- 操作手順が単純で分かりやすい。
以上の3点がクリアできないソフトは意外と見かけます。
逆に気になる点としては、サイズの大きいファイルを復元するにはどうしても1時間単位で時間が掛かる点ですね。
私の場合は、700GBのスキャンで2時間ぐらいだったかなと思います。それプラス復旧時間が2時間くらい。(すいません、正確に測るの忘れてましたがそれくらい。)
ただ、これは他社製品でも同様ですし、そもそもハードウェアのスペックにも依存するため、一概にソフトの欠点とはいえませんね。
HDDではなく、SSDであれば処理スピードは間違いなく上がるでしょう。ファイルの種類にも依存しそうです。
それから、ファイル名についてはスキャン中は出ていませんでしたが、スキャンが終わってから見ると出てました。
スキャンは最後まで待ったほうがいいです。
ちなみに、私が試した壊れたHDDは問題なくすべてのデータを復旧できました。
処理に時間はかかりますが、データが消えてしまってお困りの場合は試してみる価値アリだと思います。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました^^