最近、スマホゲームの流行からBlueStacksというツールを用いてゲームを楽しむ方が多くなってきました。
一方で、BlueStacksがエミュレーターであることもあり、実際のところ危険性や違法性はないのか?という疑問もあるかと思います。
本記事をザックリ要約すると以下のような感じです。
- 結論:BlueStacksというソフト自体に危険性や違法性はない。
- 過去に脆弱性を抱えるバージョンはあったので、最新版の使用を推奨。
- アプリ(ゲーム)の動作保証にBlueStacksがない場合、不具合は自己責任になってしまうかも。
- 便利なツールなので、性質をよく理解したうえで上手に活用しよう!
本記事では、BlueStacksの概要、危険性・違法性がない理由などを解説し、評価(レビュー)を行います。
なお、筆者は企業でスマホアプリ開発(Android/iOS)に従事しているプログラマーです。
技術者の視点からBlueStacksについて考察しました。
ただ、読者は一般のユーザーを対象としてますので、わかりやすく解説します。ご安心を ^^
BlueStacksとは?
Bluestacks(ブルースタックス)は、シリコンバレーに本社を構える、2011年に設立された会社です。
BlueStacks App PlayerとBlueStacks Cloud Connectという製品がよく知られる、ソフトウェア企業ですね。
会社案内- Bluestacks
https://www.bluestacks.com/ja/about-us.html
一般的にBlueStacksと呼ばれるのは、正確にはBlueStacks App Playerのこと。
BlueStacksはエミュレーターの一種で、PC上でAndroidを再現、実行できるようにするソフトです。
これにより、PC(Windows、Mac)でスマホゲームが楽しむことができます。
ちなみに、AndroidではなくiOSを再現することはできません。
BlueStacksの危険性、違法性の考察
冒頭で触れた通り、BlueStacks自体には危険性、違法性はないです。
BlueStacks自体は、アメリカの企業が開発しているメジャーなソフトです。
個人開発とかでもありません。
よって、危険性という観点でウィルス等が含まれる可能性は極めて低いでしょう。
企業として意図的にバックドアなど何か仕込むとかは、バレたときのダメージがデカすぎて割に合わないので通常有りえないからです。
脆弱性の対応も比較的速いです。
ちなみに、BlueStacksの株主はQualcommというIT業界では有名な企業です。あとは、Intel、AMDも株主です。
Qualcommは多くのスマホに部品を供給しており、オープン・ハンドセット・アライアンスというAndroidのハードウェア開発推進団体の中心企業の一つです。
この団体にはGoogle自身も加盟しています。
BlueStacks自身、会社としてもしっかりしているので、それほど心配に思う必要はないでしょう。
あとは、BlueStacksが違法なのではないか?という疑問が発生する理由としては、BlueStacksがエミュレーターであるという点が大きいかと思われます。
よくエミュレーターの違法な例としてあるのが、PC上でPlayStationを再現し、不正な手段で入手した海賊版をプレイするといったものでしょう。
こういうのは完全にアウトですが、それゆえにエミュレーター全般に対する違法イメージが付いてしまっているのではないかと思います。
違法であるかどうかは、エミュレーターとしてPC上で何を再現して実行するか次第です。
まず、BlueStacksが再現しているのはAndroidです。
Androidは、中身が開発元のGoogleによって完全に公開されており、ライセンスに従っていれば無料で利用できます。
さらに、Android上で実行するアプリは基本的にGoogleプレイストアから正規ルートでダウンロードしたものになりますので、これも問題ありません。
課金すれば開発元にお金が入ります。
また、BlueStacksはチート対策にも力を入れていて、チート用の不正なプログラムなどを起動を検知することが出来ます。
BlueStacks側で、ユーザーアカウントと紐を付けて把握してメーカー側への報告も行っているようです。
過去のBlueStacksの脆弱性について(アップデートが重要)
さきほど「危険性はない」といいましたが、正確にはかつてセキュリティ上の脆弱性が発見されたケースはあります。
ただ、これはBlueStacksに限った話ではなく、脆弱性というのはどんなソフトでも抱えている可能性があるものです。
なので、BlueStacksだから危険というわけではないです。そこは誤解なきよう・・・。
Androidエミュレーター「BlueStacks」の脆弱性を悪用し、マイニングマルウェアをインストール
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1149908.html
これは、攻撃者によりネットワーク経由で悪質なアプリをインストール可能な状態になるというものです。
BlueStacks側が発見から一日程度で対応して、現在は解消しています。
アップデートをこまめに確認し、常に最新のものを使用するように心がけましょう。
開発者からみたBlueStacksの評価
私が所属している会社では自社タイトルのスマホゲームをいくつかリリースしているものの、社内でBlueStacksは特に話題になってないです。
ただ、いろいろな端末で実行できるというのは、ユーザーにとってメリットが大きいため、開発側としても考えていくべきことではあります。
BlueStacksがあれば、Andorid版さえリリースすればPCでも実行できるようになる点で、メリットは大きいですね。
一方で懸念点としては、もしBlueStacks特有の不具合が発生した場合、ゲームを開発している側では対応できない可能性が高い点が挙げられます。
なぜなら、Androidは仕組みがすべて公開されている一方、BlueStacksはそうではないからです。さらに、もしPCとの相性とかも絡みだすなら検証するのも厳しい。
ゲーム開発側が動作保証にBlueStacksを入れたがらない理由があるとすれば、ユーザーからの問い合わせや改善要望に対応するのが難しいからだと思います。
BlueStacksは便利で画期的なツールだと思いますが、ゲーム開発元が動作保証をしてない場合、何かあった場合には自己責任となります。
とはいえ、BlueStacks側が不具合については個別に対応してくれている感じなので、問い合わせるのはアリかもですね。
問い合わせ方法は以下の公式ページに解説があります。
不具合等に関するお問い合わせ方法 - BlueStacks
https://support.bluestacks.com/hc/ja/articles/360014583931-%E4%B8%8D%E5%85%B7%E5%90%88%E7%AD%89%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B%E6%96%B9%E6%B3%95
最近は、BlueStacks側と連携してゲーム開発を行っている企業もあるようなので、そういうゲームなら逆に安心してプレイできるでしょう。
まとめ
以上、Bluestacksについて考察しましたが、いかがだったでしょうか。
最近、Yahoo知恵袋なんかでもBluestacksの質問が結構飛び交っているので、ユーザーの注目度は高まっているようです。
特に3Dゲームだとグラフィックの品質が上がってきて、スマホでは厳しいのでPCでやりたい!という需要が出てくるのは必然でしょう。
バッテリーも厳しいですしね。
便利なツールなので、性質をよく理解したうえで上手に活用しましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました ^^