そもそも5Gとは?何ができる?
5Gとは、現在規格が検討中の次世代通信規格のことです。
Fifth Generationの略で、直訳すれば第5世代移動通信システムとなります。
その特徴は、通信速度の圧倒的な向上です。
5Gの通信速度(10Gbps以上)は、現行の4Gの約100倍となります。
これがどのくらい早いのかというと、あくまで目安ですが例えば5Gの通信速度であれば2時間程度の映画を3秒くらいでダウンロードできてしまいます。
今後、IoT(モノのインターネット)によって、スマホだけでなく身の回りのあらゆるものがインターネットに接続されるようになります。
その結果として、ネットワーク上のデータ量の増加が予想され、人工知能や自動運転の発達もその傾向に拍車をかけるでしょう。
5Gによってスマホがより便利になるという点もありますが、5Gが成長産業を支える重要な基盤となることも期待されています。
5GとWi-Fiの違いは?
従来、4Gに比べるとWi-Fiの方が速いことが多いため、大きなサイズのアプリはWi-Fiでダウンロードするといった利用方法が多かったのではないでしょうか。
通信性能という観点で見てみると、5GとWi-Fiは肩を並べる見通しです。
正確には、Wi-Fiは元になる回線に速度を依存するため、元の回線がADSLならかなり遅くなってしまいますが、たいていは光回線かCATV回線でしょう。
純粋に、5GとWi-Fi(802.11 ax)の通信規格としての速度比較であればほぼ互角となります。(10Gbps以上の通信速度)
通信の安定性もデータ転送待ち時間を比較するとこちらも互角です。(1ms以下の低レイテンシ)
では、ユーザーはどこでも使えるであろう5Gを利用するようになるから、Wi-Fiはなくなっていくのか?というとそうでもありません。
5GとWi-Fiは相互に補完しあう関係性になると考えられています。
なぜかというと、以下の理由が挙げられます。
- Wi-Fiは既に広く普及している。
- 5Gと違ってWi-Fiは免許がいらず運用コストが低い。
- みんなが5Gの基地局にアクセスすると回線がパンクするかも。
実は、ネット上のデータの半分以上はWi-Fi。
今後も、Wi-Fiのお世話になりそうです。
5Gが日本で使えるのはいつから?
5Gのサービス開始は、プレサービスの開始が2019年中、本格的な開始は2020年からとなりそうです。
2018/10/3に総務省で「第5世代移動通信システムに関する公開ヒアリング」が行われました。
その場で、各キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が2019年に5Gサービスを開始する計画を発表した模様です。
ちなみに、楽天も2020年にサービス開始となる予定です。
2019年のプレサービス開始では、すべての地域ではなく一部の地域から開始する見込みで、都市部とは限らず地方も対象となるようです。
追記:最新情報を収集したところ、5Gサービスの開始は各キャリア以下の通りです。
- NTTドコモ:2020年春
- au:2020年3月
- ソフトバンク:2020年3月頃
- 楽天モバイル:2020年6月頃
ドコモのプレスリリースなどを確認しましたが、5G基地局の整備が段階的なものになるため、一斉に全国で開始というわけではありません。
いずれのキャリアも2020年度末までに全都道府県で5G基地局の運営を始める予定です。
格安SIMは、回線を借り受けているキャリアに追従すると思われます。
5G対応スマホに買い替えは必要?
結論から言うと、現行機種は5Gに対応していないため5Gをいち早く体験したい場合はスマホの買い替えは必須になる見通しです。
ただ、5Gのサービスが開始されてもイキナリ従来の4G回線が使用できなくなるわけではなく、当分の間は4Gと5Gが共通運用されることになります。
これは、4Gと5Gの橋渡しになるLTE-Advanced Proという新しい規格を策定する中で出てきた議論です。
4Gと5Gの規格に差が大きすぎるとサービスの展開に制約が生じる可能性が高いため、当面は5Gと並行して4Gの規格を拡張して同時運用するという方向性になったようです。
とりあえずスマホが使えればいいや、という程度であれば、4Gのスマホが壊れたら5Gの新機種を検討する、というくらいで大丈夫かと思います。
第777回:LTE-Advanced Pro とは - ケータイ Watch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/keyword/1025381.html
5G対応パソコンに買い替えは必要?
5Gの回線でインターネットに接続するには、5Gに接続できる通信モジュールを搭載したパソコンを購入する必要があります。
もしくは、パソコンに接続する5G用の周辺機器(アンテナのようなもの)がもし出てくればそれを既存のパソコンに接続する形になるかと推測します。
5Gはモバイル端末向けの通信規格なので、買い替えるとすると対象はモバイルパソコンとなるでしょう。
家庭で使用している光回線に接続済みのパソコンは、外に持ち出すなどで5Gに接続する必要性を感じなければ特に買い替えは不要です。
最近、メーカー各社が5G対応PCの市場投入を発表しているため、出張などで出かけることが多いのであれば検討してみるのも良いでしょう。
5Gの特徴は「超高速」「超大容量」「超大量接続」「超低遅延」の4つです。
要するに、大容量のデータを従来よりもはるかに速いスピードで得ることが出来ます。
最近のパソコンは比較的安価なものであっても、家庭での通常使用であれば十分なグラフィック性能を持ったものが多いです。
5G規格に対応したパソコンが出てくれば、そのメリットは十分享受できるかと思います。
5Gで通信料金はどうなる?
通信料金に関しては、最も生活に直結する話題なので気になるところ。
結論から言えば、各社低料金での導入を目指していますが実際にどうなるかは不透明、といった感じですね。
ドコモの2018年第2四半期決算説明会の資料によると、2019年度第1四半期(4~6月)に年間最大4000億円規模の通信料金値下げに踏み切る、とのことです。
総務省の公聴会でも、大手キャリア各社が低料金での5G導入を模索している旨を述べています。
しかし、電気通信事業者協会のデータによるとドコモの契約者数は2018年12月時点で77,517,400人なので、還元される年間4000億円を一人当たりで割ると年間5160円にしかなりません。
しかも、5G技術を導入するにあたり当然ながら設備投資が発生しており、上記のドコモ資料によるとその額は1兆円に上ります。(2019~2023年の累計額)
・・・なんか雲行きが怪しいなぁ。。と思っていたら、通信料金は下げる代わりに分離プランを導入することで端末代が上がる模様です。
案の定トータルで見たらたいして変わらないかもです。
ドコモが2019年度に通信料金値下げへ、ただし分離プラン導入で端末代は高額化
https://buzzap.jp/news/20181029-docomo-price-down-2019/
とはいえ、5Gの恩恵をお値段据え置きで体験できるなら、よしとするか・・・。
いずれにせよ、いい機会ですのでスマホ料金が高すぎると思われているならば、5G普及前に料金プランなどを一度見直してみてはいかがでしょうか。
5Gに対するiPhoneの動向について
5G対応のiPhoneですが、いくつかのニュースサイトによると2020年の市場投入に向けて試作段階とする記事が多いですね。
先ほど述べた通り、日本での5G商用開始予定が2020年開始の見込みであることからも、それに合わせての発売を見越してのことでしょう。
ただ、過去にLTEが導入された際、シリーズで初めてLTEに対応したのは日本におけるサービス開始後の一年後でした。
最新技術というのは、出始めは不具合が発生することもありますので、ある程度は懸念点が出尽くしてから対応という可能性もあります。
また、アップルと部品メーカーであるクアルコムが特許権使用料で争っていて、iPhoneへ5Gチップの供給に影響が出そうという懸念がありました。
しかし、どうやら和解に至り、2020年に最初の5G iPhoneが発売されることを保証する6年間のライセンス契約を結んだ模様です。
Apple and Qualcomm settle dispute, paving way for 5G iPhone - NIKKEI ASIAN REVIEW
https://asia.nikkei.com/Spotlight/5G-networks/Apple-and-Qualcomm-settle-dispute-paving-way-for-5G-iPhone
買い替えをご検討中の場合は、最新情報にアンテナを張りましょう。
まとめ
以上、5Gについていろいろ疑問となりそうなところをまとめました。
5Gによってスマホのみならず家電、自動車、電車などあらゆる身の回りのものがネットに接続されるようになっていくことで、より生活に根付いたサービスが増えていくことが考えられます。
映像の8K化、遠隔での手術、自動運転のデータ収集による安全性の向上など既に具体的なものも出てきています。
最後に、ソフトバンクが出している以下の動画が個人的には面白かったので共有します。
5Gによってこんな未来が待ってるよ、というちょっとワクワクする動画です。