背景を透明にして他の画像を合成したい!、というのはよくあることだと思います。
本記事では、
・画像全体を透過する方法
・画像の一部を手作業で透過する方法
の二つをWindows10で使用するGIMP2.10.6を例にして解説していきます。
基本編:画像全体を半透明にする。
まずは、画像全体を半透明にする方法です。用途としては、二枚の画像を重ねて
合成したり半透明にした画像の上からペンツールでトレースして絵を描くといった
ことが考えられますね。以下の2枚の画像を使います。
完成イメージはウミガメの写真を少し透過して、後ろにうっすら魚群が見える
ような感じにしたいと思います。ウミガメの背後の遠くの方に魚群がいるイメージです。↓
手順
1.
ウミガメの写真ファイルを開きます。
(ファイル→レイヤーとして開く)
2.
ウミガメの写真と同じ手順で魚群の写真ファイルを開きます。
(ファイル→レイヤーとして開く)
ただし、Openボタンを押した直後に以下のようなウィンドウが表示されることがあります。
これは、2枚目に取り込もうとしている魚群の写真に埋め込まれている色の情報
(カラープロファイル)がウミガメの画像と異なっているために変換するかどうか
聞いてきています。ここは、一旦「変換」ボタンをクリックして先に進みましょう。
参考:カラープロファイルとは?
色特性(どのように色を扱うか)を記録したデータです。
画像作成時に「実際に表示していた色」を絶対値としてデータを保持することで、
機種の違いを吸収して、なるべく元の色を再現する用途で利用されます。
3.
魚群の写真が読み込まれました。ただ、魚群の写真が前面に出てしまい、
ウミガメの写真が見えなくなってしまいました。
そのため、レイヤーの順番を入れ替えてウミガメの写真を前に持ってきます。
魚群写真のレイヤーを左クリックで選択し、下記画像の下矢印ボタンを左クリック
して魚群写真のレイヤーを下の層に移動します。
4.
最後にウミガメの写真を透過して、後ろにある魚群の写真が透けて見えるようにします。
ウミガメの写真レイヤーを選択してから不透明度を調整します。
デフォルトの100%は全く透明でない状態で、%の数値を減らすにしたがって
透明になっていきます。
応用編:消しゴムを使って画像の一部を透明にする。(なじませる。)
続いて、上記で利用した画像を元に画像の一部だけ消しゴムで薄くして半透明にする
方法を解説していきますが、そのまえに・・・
これまで本記事では実例として画像全体の不透明度を調整してきましたが、
少し問題があります。
例えば、ウミガメが透けてしまって、よく見ると魚群が見えてしまっています。
これは、ウミガメの写真全体が透過しているためにこうなっています。
見せ方として後ろの写真が透けても問題ないケースならばこれでもよいのですが、
今回は魚群がウミガメの後ろにいるような感じに見せたいのです。
なので、できればウミガメは透けてほしくない。。。
つまり最終ゴール地点としては、ウミガメの部分は透過せずに背景にある
海の部分だけ透過し、魚群を見せたい、ということになります。
そこで、消しゴムの出番です!
手順
1.
ウミガメ写真レイヤーの不透明度を一旦100%に戻します。
2.
消しゴムで消した部分を透明な情報として認識させるために、アルファチャンネルを
追加します。
レイヤー → 透明部分 → 「アルファチャンネルの追加」を左クリックです。
もしアルファチャンネルが追加済みであれば、クリックできないはずなので
そのまま次に進んでください。
3.
ウミガメの写真レイヤーの魚群がいるであろう領域を消しゴムで消していきます。
なじませやすいように、ぼかしがついている形状の消しゴムを使っています。
設定は以下のようにしましたが、実際に使って様子を見ながら変えていくといいと思います。
もし、消しゴムが上手く機能しない場合はGIMPをいったん終了して開きなおすと直りますので
試してください。
作業の様子を動画にしてますので、以下をご覧ください。
できるだけボケ幅の広いブラシを不透明度の値が低い状態にして少しずつ
様子を見ながら消していくのがコツです。
4.
最後に、ファイル → 名前を付けてエクスポート で保存すれば完成です。
なお、ペイントを用いた画像の透過方法は以下の記事で紹介していますので、参考になるかと思います。