クリップスタジオペイント(CLIP STUDIO PAINT)は、セルシス社から発売されている
グラフィックソフトです。
クリスタという略称でも通じることが多く、イラスト製作で非常によく使用されるソフトで、私自身も前のバージョンにあたるIllustStudioから愛用しています。
市場シェアでいうと、セルシスとPhotoshopで有名なAdobeが
毎年一位、二位を争っている感じですね。
最近で言うと2015~2017年はセルシス社製品がトップシェアです。
(「BCN AWARD」の調べ グラフィック部門)
1番売れてるグラフィックスソフト【CLIP STUDIO PAINT】
その高い操作性や機能性からアニメスタジオや漫画家などのプロが実際に採用する事例も増えてきています。
とはいえ、プロ向け専用というわけでもなく、むしろ他のソフトよりも初心者を対象にした公式マニュアルやQAサイトが充実しているので、これから絵を描き始める方にも十分オススメできるソフトです。
本記事では、クリップスタジオペイント(以下、クリスタ)の購入をご検討中のあなたに向けて、機能面を中心に詳しく解説していきます。
以下の動画で機能が簡潔にまとめられてます。
クリスタって、何ができるの?どんな絵が描けるの?
例えばですが、上の絵は私がクリスタで描いたものです。
個人的には背景画に特化した機能(パース定規)があるため、重宝してます。
クリスタは、イラスト製作、漫画、アニメーション製作、アート作品など様々な用途に使用されています。
プロのイラストレーター、アニメスタジオでの導入事例もあり、プロレベルの使用にも耐えます。
塗り方としては、鉛筆、ペン、パステル、クレヨン、水彩、油絵など、多彩な塗り方に対応。
また、ソフト自体の機能により、後から商用利用可能な数万点を超えるブラシ、素材を追加することが可能です。
自分でブラシ自体を自作することも可能なので機能的な理由で描けない、ということはほぼありません。
ただ、個人的な感想ですが、どちらかというと線に関する機能が強いので、漫画・アニメ調のイラストが得意なソフトだと思います。
クリスタのデメリット
クリスタはプロの使用にも耐える高機能なソフトなのですが、その長所が裏目に出ます。
クリスタのデメリットは、機能が多すぎて操作方法がわからなくなる点です。
特に初見では何に使うのかよくわからない機能もあるでしょうし、すべての機能を把握することも困難でしょう。
自分も初めて見たときにはどこから手を付けていいのか、正直言ってわかりませんでした。
ただ、ソフトをある程度使い慣れた今では、そのデメリット込みでも初心者の段階でクリスタから入るのは良い選択肢になると思っています。
その理由は、ユーザーが多いためにネット上に大量のノウハウ情報が存在しているからです。
初心者が絵を上達するために重要なことは、すでに上手い人の真似をすることです。
クリスタの場合、自分が描きたい絵のキーワードで検索をするとほぼ間違いなく、どの機能を使えばいいか情報がたくさん出てきます。
例えば、草原が描きたければ「草原 クリスタ」で検索するとカスタムブラシや描き方の説明がたくさん出てきます。
クリスタの場合はプロが公開しているメイキングなど、質のいい情報が多いです。
描きたい絵から逆算して、質のいいノウハウに触れながらソフトの使い方を学ぶことで、無理なく上達していけるのではないかと思います。
また、他のグラフィックソフトにない独自性として、クリスタ本体と同時に自動インストールされるソフトには初心者向けの詳しい説明機能が付くところもポイントとしては大きいですね。
機能の多さからくる、取っつきにくさをカバーするために様々な工夫が凝らされています。
クリスタの便利機能3選!
素材が簡単に探せる機能
クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)をインストールすると、同時に「ClipStudio」というソフトもインストールされます。
このソフトでは、以下のようにユーザーが投稿した素材を検索してダウンロードできます。
便利な場面としては、例えば絵を描いていて欲しい素材があるとき、探すのに意外と時間が掛かります。
あったとしても、自分が使っているソフトに対応してないとか、クレジット表示必須で商用利用できないとか。。
クリスタの場合は、付属しているサポートソフトである「ClipStudio」で調べたら、素材の数自体が多いので大抵ドンピシャで見つかりますし、すべてクリスタ専用 & 商用・非商用問わず利用可能です。
なお、一部の素材は有料ですが、だいたいは無料で使えます。
3Dモデルをなぞって簡単に描ける機能
外部ツールで作成した3Dや先ほど紹介した「ClipStudio」でダウンロードしてきた3Dモデル(人間、背景など)を取り込むことが出来ます。
人形であれば関節を動かすことができ、好きなようにポーズを取らせることが可能です。
カメラの角度調整も自由自在です。
ちなみに、3Dの専門知識は一切不要。ただ、グリグリ動かすだけ。
取り込んだ3Dデッサン人形をアタリにして絵を描くことが出来ますので、苦手な角度や複雑なポーズは3Dを参考にするとラクできます!
例えば手足が上手く描けないという場合、3Dモデルは手足の指一本ずつから動かせますし、手だけのモデルも用意されているので3Dを動かしてなぞるだけで描けてしまいます!
操作の様子については、以下の動画をご覧ください。ポーズを読み込んで腕と足を動かしてみました。
はみ出した線を簡単に消せる機能
クリスタにはベクターレイヤーと呼ばれる機能が付いています。
これは、ペンで線を描いたときに、線ではなくペン自体の軌跡を記録しておいて編集時に役立てる機能です。
で、具体的には何が嬉しいかというと・・・例えば、以下の画像で赤丸で囲った突き出た部分を消去してキレイな正方形を作りたいとします。
ベクター機能を使用しないと、以下の動画のように消しゴムで地道に消していくことになります。↓
・・・メチャクチャ面倒だと思いません?
面倒だから消しゴム大きくしたら消したくない交点まで消してしまったり、ビミョウに突き出た線が残っちゃったり。。
数が少なければたいした問題ではありませんが、ビル群とか窓がいっぱいある背景を描いたりするとリアルに日が暮れます 笑
あと、キャラを描く人なんかだと髪の毛の毛先のはみ出た部分なんかを消去するために結構面倒な思いをするかも。
そこで、ベクターレイヤー機能を使ってペンの軌跡を記録させ、交点までの線を自動消去させる機能を使用すると以下の動画のようになります。↓
消したい部分の大体の位置をなぞると後はソフトが自動判断で消してくれます。
こういう作業効率系の機能はありがたいです。
あんまりしんどいと、絵を描いてる途中で心が折れるんで・・・。
クリスタは3種類!DEBUT、PRO、EXの違いを解説!
クリスタにはDEBUT、PRO、EXの3つのエディションが存在し、左から順に使える機能が多くなっていきます。
DEBUITはお試し版、PROはイラスト向け(個人/プロ用途)、EXは漫画向け(個人/プロ用途)と思います。
機能をざっくりまとめると・・・
・DEBUT
これ単体では販売されておらず、Pixivのプレミアム会員であれば無料で使えたりします。
ただし、機能がかなり制限されており先ほど紹介したベクター機能などが使えません。
本格的にやろうとすると、結構不便な思いをしそう。。とりあえず触る分にはいいと思います。
・PRO
イラスト向けのモデルですが、単ページの漫画なら編集可能です。
便利機能なども大方揃っているので、イラストを描きたいならこのモデルがおススメです。
・EX
PROの機能に加えて複数ページの漫画を描くための機能を持っています。
さらに、3Dモデルを読み込んだ後にそのまま線画に変換する、夢のような機能が付いています。
あとは複数人で共同作業をするための管理機能などもあり、そういった用途の方には便利かと思います。
以下、公式の商品別紹介ページです。
まとめ
いろいろクリスタの機能を中心に紹介してきました。
このソフトの最大のデメリットは高機能ゆえに、設定項目やツールが多いため「取っつきにくい」というところ。
そのデメリットを補うために、初心者向けのチュートリアルをはじめとするサポートの充実しているところが特徴であり、他のソフトにはないオススメのポイントです。
また、プロの使用にも耐えることからわかるように、非常に高機能なので自分の技術が向上した時にソフトが足を引っ張ることはないので長く付き合えるソフトでもあります。
できることなら初心者であっても始めから長く使えるいいソフトを使ったほうが後々作業効率を考えるとラクかな、と個人的には思います。
技術が向上してくるとどうしても書き込みが増えて作業時間も増えてきます。そうなると、有料ソフトならではの便利機能が威力を発揮しだします。
始めから高度なソフトで使い方をマスターしておけば、ソフトを乗り換える必要がないので新しいショートカットキーを覚えたり、機能を覚えなおす手間が省けます。
個人的に使用してきたソフトとしては、Photoshop、SAI、CLIP STUDIO、フリーソフトではGIMP、PictBearあたりなのですが、イラスト用途ではクリスタが頭一つ飛びぬけていると感じています。
ただ、他のソフトと比較をしてみたい!というアナタのために、以下の記事を書きましたので、よろしければご参考までにどうぞ。
また、クリスタのご購入をご検討の方は以下の記事で最安値の購入方法を紹介しています。